参考文献の書き方

世の中には卒論や修論の書き方指南をwebで公開してくださっている先生が多くいらっしゃって、私も利用させていただきたいなどと思っていたところ。そういえば、かつて博士課程の学生だった時に書いた小ネタがあったと思ったので公開します。

たかが参考文献と侮るなかれ、論文審査時でも査読時でも印象を左右することがあります。

注意:筆者は計算機科学まわりに生息しています。分野が異なる場合はちょっとよくわからない。「フォーマットが統一されているのが重要」というのはユニバーサルルールだと思いますが。

ルール

ほかに bibtex でいうところの url や techreport、phdthesis などのフォーマットもあります。 とにかく重要なのは、「同一のエントリ種別でフォーマットが統一されていること」です。

ついでに著者名の書き方

参考文献を書くということは本文中から引用するわけですが、その時にもルールがあります。例えば「知能花子」先生による研究を本文で引用したいとして、「○○する研究 \cite{Chinou2112} では、」などと論文の内容で引用する場合はあまり気にする必要はないのですが、著者名を書く場合

  1. 著者が知能花子1人の場合は
  2. 「知能 \cite{Chinou2112} によれば、」 "Chinou \cite{Chinou2112} reports xxx"
  3. 著者が知能花子と画像太郎の2人の場合は
  4. 「知能・画像 \cite{Chinou2112} によれば、」 "Chinou & Gazou \cite{Chinou2112} report xxx"
  5. 著者が知能花子を筆頭に3人以上の場合は
  6. 「知能ら \cite{Chinou2112} によれば、」 "Chinou et al. \cite{Chinou2112} reports xxx"

このように、著者の人数によって英語でも日本語でも書き方が異なります。ごちゃ混ぜになりがちなので注意。

学会論文の例

F. Perronnin, J. S anchez, and T. Mensink. Improving the Fisher Kernel for Large-Scale Image Classi cation. In ECCV, 2010.

ECCV という国際会議で出た論文の引用です。このように、アブストや通常の論文など、スペースに限りがある場合は 「著者、タイトル、『会議の略称』、開催年」(ページ情報不要) でも問題ありません。スペースに問題のない卒論修論では

F. Perronnin, J. S anchez, and T. Mensink. Improving the Fisher Kernel for Large-Scale Image Classi cation. In Proceedings of the 11th European Conference on Computer Vision, pp.143--156 , 2010.

とちゃんと書いてもよいです。ワークショップの場合もこちらに含まれます

論文誌論文の例

A. Torralba, R. Fergus, and W. T. Freeman. 80 million tiny images: a large dataset for non-parametric object and scene recognition. IEEE TPAMI, 30(11):1958-70, 2008.

如何なる時も巻、号、ページ数を書かなければなりません。アブストでも卒論修論本体でもです。論文誌名に関しては、上記のように略称を用いるか、

A. Torralba, R. Fergus, and W. T. Freeman. 80 million tiny images: a large dataset for non-parametric object and scene recognition. IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 30(11):1958-70, 2008.

とちゃんと書いてもよいです。

よくある間違い

最後によくある間違いとして今までに観察されたものを列挙していきます。

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